2006年01月11日

『クラスタ』という名称4

 さて、よく使われている用語だが、単に「クラスタ」といっても、目的・形態によっていくつかに分類される。キャリアグレードLinuxの仕様書では以下の4種類に分類している。

1.High Availability Cluster (HAC)
2.Scalability Cluster
3.Server Consolidation Cluster
4.High Performance Computing (HPC) Cluster

1.が、単に「クラスタ」と言った場合、一番よく使われている高可用クラスタだ。2.はOracle10g RACなどの並列クラスタ、4.が科学技術計算などで使われる大規模並列クラスタ。3.は少し毛色が変わっているが、複数のノードをあたかも1台のノードであるかのように扱うことができる仮想化だ。

 「高可用クラスタ」を実現するソフトの名称だが、「クラスタ・ソフト」「クラスタリング・ソフトウェア」などと呼ばれている。新しもの好きでキャッチーな名称が好きで本質はどうでもいいと考える人たちは「クラスタウェア」などという酷い呼び方すらする。

 "Blueprints for High Availability"の著者達は、そういう名前を好まない。
「クラスタ」という名称が長年の間にマーケッティング部門によって酷使され、クラスタリング・ソフトウェアをインストールさえすれば、すぐに「高可用性」が実現でき、「ファイブ・ナイン」が達成できるかのようなセールス・トークが蔓延していると考えているからだ。

 彼らは、それを単に「フェールオーバー管理ソフトウェア(FMS: Failover Management Software)」と呼んでいる。
 つまりは、「可用性」とはすぐに結びつかない無味乾燥な純粋に技術的な言葉を使うことで、単にフェールオーバーを管理するソフトに過ぎませんよ。その他のたくさんのことをやらなければ高可用性は達成できませんよ。と言ってるわけだ。

(何しろ、"Blueprints for High Availability"のミッション・ステートメントは、「クラスタリング・ソフトウェアをインストールし設定しただけでは、高可用性は実現できない」だそうだから。)

 ちなみに、SAフォーラムの仕様書で「可用性管理フレームワーク(Availability Management Framework)」と呼ばれている実体が、FMSに相当する。
 この言葉も技術的に中立で、機能を端的に表している。

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