Linux
2006年01月25日
オープンソースの品質
以前、Linuxのビジネスユースに関して、オープンソースコミュニティーとの品質に関する認識論的切断(!?)について触れましたが、もう少し考えてみました。
私は仕事柄、海外(米国&ヨーロッパ)のソフトウェア開発者を相手にする機会があるのですが、彼らは割といい加減というか良い加減で、再現しないんならいいじゃないかとか、回避できればいいじゃないかとか良く言います。(プロセスの見直しはやって欲しいんですが・・・)
実際、ドイツなんかだと2000年問題の時も、まぁ手を尽くしてダメだったらしょうがないじゃないかというのが社会的コンセンサスになっていて、日本ほどピリピリしてなかったみたいです。
オープンソースコミュニティーの感覚に近いですね。
日本では過剰に品質を求めすぎるのかもしれません。
「ピープルウェア」や「ゆとりの法則」で有名なデマルコも、おととし日本に来た時の講演で過剰な品質は必要ないと言っていました。
「効率化しすぎると、作業が遅くなり変化にも対応できない」とトム・デマルコ氏――“デブサミ2004”開幕
「“早さ”と“クオリティー”の過剰な要求は開発者やその企業をダメにする 」なんだそうです。
デマルコに関しては、こんなブログも御参考。
ただ、ディザスター・リカバリーとか業務継続の分野だとどうなんでしょうね???
私は仕事柄、海外(米国&ヨーロッパ)のソフトウェア開発者を相手にする機会があるのですが、彼らは割といい加減というか良い加減で、再現しないんならいいじゃないかとか、回避できればいいじゃないかとか良く言います。(プロセスの見直しはやって欲しいんですが・・・)
実際、ドイツなんかだと2000年問題の時も、まぁ手を尽くしてダメだったらしょうがないじゃないかというのが社会的コンセンサスになっていて、日本ほどピリピリしてなかったみたいです。
オープンソースコミュニティーの感覚に近いですね。
日本では過剰に品質を求めすぎるのかもしれません。
「ピープルウェア」や「ゆとりの法則」で有名なデマルコも、おととし日本に来た時の講演で過剰な品質は必要ないと言っていました。
「効率化しすぎると、作業が遅くなり変化にも対応できない」とトム・デマルコ氏――“デブサミ2004”開幕
「“早さ”と“クオリティー”の過剰な要求は開発者やその企業をダメにする 」なんだそうです。
デマルコに関しては、こんなブログも御参考。
ただ、ディザスター・リカバリーとか業務継続の分野だとどうなんでしょうね???
2006年01月04日
Linuxと高可用性〜ダンプが必要なOSを作った覚えはない〜
Linuxと高可用性というのも、本質的に相容れない物のような気がしている。
こちらの記事「ダンプが必要なOSを作った覚えはない」を読んで頂きたい。
もちろん、ダンプ機能はキャリアグレードLinuxでも色々な要件があがっているビジネス・ユースでは必須の機能だが、正直これがオープンソース・コミュニティーの本音だろう。
実際、自分のPCの調子が悪くなっても、それが回避さえできれば根本的な原因が何であるかは二の次だ。例えば、ソフトをインストールし直して問題なく動けば、根本原因を探ることなど詮なきこと、時間の無駄ですらあるかもしれない。
しかし、ビジネスの世界ではそうも言っていられない。不具合の原因が何なのか徹底的に究明して、必要ならば対策を取るのが当たり前だ。それが、ビジネスのプロセスというものだからだ。
このプロセスの違い、根本的な行動原理の差が、たとえLinuxをビジネスに使うメリットがデメリットを上回るとしても、どうも引っかかるのである。
こちらの記事「ダンプが必要なOSを作った覚えはない」を読んで頂きたい。
もちろん、ダンプ機能はキャリアグレードLinuxでも色々な要件があがっているビジネス・ユースでは必須の機能だが、正直これがオープンソース・コミュニティーの本音だろう。
実際、自分のPCの調子が悪くなっても、それが回避さえできれば根本的な原因が何であるかは二の次だ。例えば、ソフトをインストールし直して問題なく動けば、根本原因を探ることなど詮なきこと、時間の無駄ですらあるかもしれない。
しかし、ビジネスの世界ではそうも言っていられない。不具合の原因が何なのか徹底的に究明して、必要ならば対策を取るのが当たり前だ。それが、ビジネスのプロセスというものだからだ。
このプロセスの違い、根本的な行動原理の差が、たとえLinuxをビジネスに使うメリットがデメリットを上回るとしても、どうも引っかかるのである。
2005年12月23日
SAフォーラム(サービス・アベイラビリティー・フォーラム)
可用性に関してはSAフォーラムという団体もある。
一言で言うと、通信・ネットワーク・コンピューター関係の標準化団体だが、サービスレベルで可用性を達成するのに必要な様々なインターフェース仕様を標準化しようという団体だ。
オープンの世界では今まで、システム・インターフェースのようなカーネルに近い所から徐々に標準化が進んできたが、ついに可用性の切り口で標準を作ろうという所まで来たということだろうか。
SAフォーラムでは次の3つの切り口で仕様を作っている。
詳細はSAフォーラムのWebを参照。
SAフォーラムは基本的に仕様を決めるだけの団体なので、OSDLが密接に絡んで技術的な検討や実装(OpenHPIやOpenAIS)を行っている。
SAフォーラムの仕様書についても、徐々に本宅の方で解説していきたいと思います。(いつになることやら分かりませんが・・・)
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一言で言うと、通信・ネットワーク・コンピューター関係の標準化団体だが、サービスレベルで可用性を達成するのに必要な様々なインターフェース仕様を標準化しようという団体だ。
オープンの世界では今まで、システム・インターフェースのようなカーネルに近い所から徐々に標準化が進んできたが、ついに可用性の切り口で標準を作ろうという所まで来たということだろうか。
SAフォーラムでは次の3つの切り口で仕様を作っている。
- HPI: ハードウェア・プラットフォーム・インターフェース
- AIS: アプリケーション・インターフェース仕様
- SMS: システム・マネージメント仕様
詳細はSAフォーラムのWebを参照。
SAフォーラムは基本的に仕様を決めるだけの団体なので、OSDLが密接に絡んで技術的な検討や実装(OpenHPIやOpenAIS)を行っている。
SAフォーラムの仕様書についても、徐々に本宅の方で解説していきたいと思います。(いつになることやら分かりませんが・・・)
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2005年12月21日
キャリアグレードLinux
OSDL(Open Source Development Laboratory)というLinuxのビジネス利用を推進している業界団体が開発している仕様に『キャリアグレードLinux』というものがある。
キャリアというのは電話会社などの通信事業者のことで、当然そのシステムには極めて高い可用性が求められる。許される停止時間はコンマ数秒という世界である。そのような水準の高信頼性・高可用性がキャリアグレードと呼ばれる。
キャリアグレードLinuxとは、現在のLinuxをその水準に引き上げるために不可欠な機能の標準として仕様化したものだ。
今のところ、次の仕様書が存在する。
詳細についてはOSDLのサイトを参照。
本宅の方で仕様書も少し訳してみようかとも思っています。
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キャリアというのは電話会社などの通信事業者のことで、当然そのシステムには極めて高い可用性が求められる。許される停止時間はコンマ数秒という世界である。そのような水準の高信頼性・高可用性がキャリアグレードと呼ばれる。
キャリアグレードLinuxとは、現在のLinuxをその水準に引き上げるために不可欠な機能の標準として仕様化したものだ。
今のところ、次の仕様書が存在する。
- 可用性
- クラスタリング
- サービスアビリティー
- 標準適合
- セキュリティー
- ハードウェア
- 性能
詳細についてはOSDLのサイトを参照。
本宅の方で仕様書も少し訳してみようかとも思っています。
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